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デザインコンペ2018 部門2入選作品
西戸部擁壁横丁
田村聖輝さん・大浦佑介さん・中島健さん・吉村真菜さん・諸星佑香さんコメント
今回この西戸部という町は、横浜市にある木造密集市街地のエリアです。横浜の木密というものは東京の木密と違って斜面地の上に建っているような状態です。このような場所でどういった災害が起きるリスクがあるかといいますと、地域の人もかなり高齢化していたり逃げ道が非常にとりにくい状態になっています。そういった状況の中で空き家も年々増えており、このような街で、どのように次の世代につないでいく町として更新していくか、ということを考えました。その時に、斜面地であるということ、木密であるということから、斜面地にたくさんある擁壁沿いを一つのコミュニティの核として更新していくことを考えていきます。実際の空き家を少しずつ減築していって、擁壁の間にブリッジを作り、擁壁にスクリーンをつけていくことでパブリックビューイングをしたり地域の人が一緒に使えるような場所を擁壁沿いに作って新しい町のコミュニティの空間としていくことを通して、こういった水平につないでいくような動線を抜いていくことを考えました。それによって今までは建物の間にちょっとずつ塀が建っていて横のパースが通っていなかったのですがメインの縦の動線に対して横に新たにブリッジなどでつなぐことで、逃げ道を確保していくことを提案していきます。
協会メンバーコメント
実存する問題を抱える地域を題材に、それを解決する提案です。斜面地であり木密地域の空き家等を減築し、擁壁との間にスペースをつくり、塀を取り払い、横の動線を確保する仕組みが、普段のコミュニケーションを生み出し、同時に災害時の逃げ道を作っている点を評価しました。
Nested Housing
橋本隆史さん・森山ちはるさんコメント
私たちの提案は、街での人々のつながりを日常から強化し、災害時の情報集約・共有と生活クオリティの維持をするためのシステムです。ストック物件や自治体など、今すでにあるものを活かして地域の防災力が高まるように考えました。特別な物はなくても、今のIT技術を使えば、省エネルギーに、多くの場所で役立つ仕組みが簡単にできるのではないでしょうか。
協会メンバーコメント
シェアハウスの機能をひとつの建物で完結させずに、働く場のある街にリビングやベッドルームを点在させ、シェアハウスが街に広がるシステムが提案されています。リビング(食堂・台所・入浴設備)の共有で普段から人間関係が構築されていることで、災害時の被害や避難・支援の情報がうまく集約・共有されるというものです。空き家・空き室のストック利用の側面も持ち、実現すると価値の高い提案です。
魅せるコミュニティ
坂野来樹さん・久保亮さんコメント
私たちの作品は、建築用語で言うハード面とソフト面から成り立っているのではなく、その両面の中間領域から成り立っている作品となっています。
基本構成は木造の柱と布(白キャンバス、緑キャンバス)から成り、柱と布が組み合わさることで平常時では地域住民の人々が集まりコミュニティが生まれる空間としました。また、災害時では布を自由に移動させ一つの個室空間になり、これが仮設住宅の役割を果たすことができます。
私たちは、この様に「柱と布」を使用する事で生まれるそれぞれの空間を「いつもの暮らしがもしもの支えになる。」と定義し今回提案させて頂きました。
協会メンバーコメント
薄れつつある地域コミュニティの活性化と、災害時の仮設住宅の良質化のため、柱とキャンバス(布)」を用いて展開する提案です。立ててキャンバスを張った二本の柱が基本となり、平常時はアートスペースや住民用掲示板として機能、このアートキャンバスが災害時はテントの間仕切りになり、表札や避難情報の掲示板にもなるというものです。アートがコミュニティの希望になることが想像されます。