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デザインコンペ2018 部門2受賞作品
フェーズフリーなゴミステーション
菊池甫さん・山本展久さんコメント
僕たちの提案もほかの方たちと同じようにコミュニティとフェーズフリーを組み合わせることができないかというところに、着目して考えました。
切り口として、ゴミステーションを提案させていただいたのですが、それは2016年の熊本地震でその時に、テレビの映像を観ていて、ゴミがすごく広がる状態や公道を埋めたり、校庭をふさいでいる状況をみて、フェーズフリーの問題として解決する方法はないかということで、僕らは考えました。
ゴミステーションを使っている世帯数を調べその結果、16世帯くらいの人々に対して必要な公共空間というものを作って、それを街の中に点在させることによって、平常時は自然な16世帯のコミュニティができるような空間、災害を意識しながら、いざ災害が起きたときはそれをステーションとして活用してなるべく都市機能を低下させないように考えました。
その過程の中で、フェーズフリーの原則に合わせた時に、それぞれ可能性が出てくるのではないかということを提案させていただきました。
協会メンバーコメント
住宅デザインコンペの部門2ということで、住宅そのものではないのですが、コミュニティであったり生活空間の中でのシーンを取り上げています。災害時の使われ方だけでなく、日常どのように役に立つかというのを、非常に深く実際の状況から想定して新たな生活空間を提案している点を評価しております。様々な平常時の状況と災害時の状況に加えて、邪魔のない住まい方、多様性のある住まい方ですとか、開放感のある住まい方。
ゴミを出したり、災害時にゴミが非常に出てくるという状況の中で、単にごみを捨てたものがいつの間にか持って行ってもらい無くなっている。その場から消えてくれるというような当たり前の状況ではなくて、それを日常の生活の中に取り入れて、また新たな可能性を提案しているということを、非常に評価しています。
氾濫対策防災プランター
毛塚順次さんコメント
フェーズフリーに関わるにはデザインに付加価値を与える一つの重要なキーワードとして、私自身が10年か20年間くらい公共デザインをスケッチする中で、これはもしかしたらフェーズフリーに該当するのではないかと思う案をカスタマイズして、本コンペの為に何案か出させて頂きました。その中でこの案を評価していただいて、私自身設計者をしているのですが、設計する前に必ずハザードマップといのをチェックすることになっています。
ハザードマップをチェック致しますと、住宅のフロアレベルの設定をある程度高くしないと災害時に水没してしまう。ただコストですとか使いやすさを考えると、フロアレベルは少し下げていかないと、現実的ではございません。そういったところで、いろんな氾濫したニュースを見ていると、住宅の玄関に水があふれた時には、土嚢が積まれて、住宅が何とか水害を免れてきたシーンがあります。そういうシーンを少しでも常時から考えられればということで、住宅の前にプランターをデザインして、それをブロック塀ですとか、そうした間に土嚢を積むようなスペースに、有事の際にはそれを簡単に持ち手がついていて、高齢者の方ですとか子供でも、土嚢として簡単に災害時に使えるものとして提案して考えさせて頂きました。
協会メンバーコメント
とてもシンプルで、わかりやすくいろいろな方が取り入れやすいのではないかと思いました。バリエーションもいろいろありますし、手入れをすることで、ご近所とのコミュニケーションもできます。季節を感じたりすることもできると思います。フェーズフリー的に普段の生活が災害時にも役立つとてもいい案だと思いました。